Genuine Temporary Entrant とは?
学生ビザ申請の際、ビザ取得の目的が純粋に教育を受けるための一時入国であることを証明する必要があります。その際に適用される審査基準が、Genuine Temporary Entrant Requirement(GTE要件)と呼ばれています。"Genuine Temporary Entrant" を日本語にすると「真正な一時入国」のように訳せますが、これの反対の意味は「不正な永住」となります。つまりこの GTE要件によって、学生ビザを不正に利用してオーストラリアに不法滞在しようと試みる者を排除するということが目的です。
実は GTE(真正な一時入国)を証明する方法が具体的に提示されている訳ではなく、移民局からは漠然とした審査基準のみが与えられているだけです。実際には学生ビザのオンライン申請を進めていくと下のような画面が表示され、ボックスの中に2000文字以内で「なぜ自分がGTE要件を満たしているのか」を英作文することになります。ボックス内に書ききれないときや証明書類などを加える場合は、後でファイルを添付することも可能です。オンライン申請の手順については、学生ビザ申請方法のページをご確認ください。
* 2016年の6月までは、日本人が学生ビザを申請する際にGTE要件を満たすことを証明する必要はありませんでした(抜き打ち審査を除く)。2016年7月1日からの学生ビザ制度の大幅改正に伴い新たに加わった項目です。
GTE審査基準
移民局の公式サイトを見てもGTEに関しては漠然としたことしか書かれておらず、以下のような審査基準が挙げられているだけです。
When assessing the GTE requirement, we will consider the requirements set out in Ministerial Direction 69 (700KB PDF). To assess this, we will consider:
- your circumstances
- your immigration history
- if you are under 18 years of age, the intention of your parent, legal guardian or spouse of the applicant
- any other relevant matter.
移民局公式サイトより
[日本語訳]
GTE要件を審査する際、「Ministerial Direction 69」に記載された要件に従います。 審査に当たって以下を考慮します。
- 申請者の状況
- 申請者の渡航歴
- 18歳未満の場合、申請者の親や法的保護者、あるいは配偶者の意図
- その他の関連事項
GTE審査基準について詳しくは、Direction Number 69(全文日本語訳)のページをご確認ください。
GTE要件を満たすことの証明方法(ガイドライン)
留学生を受け入れている学校は、このGTE要件に関する独自のフォームを用意したり、GTEについての問い合わせに応じたりすることにより、曖昧な部分を減らそうと努めています。学生ビザの申請を検討している方々は、GTEについてそれほど神経質になる必要はありませんが、どのような事柄が考慮されるのか予め要点を抑えておいた方が良いでしょう。
各学校により用意された独自のGTEフォームでカバーされる内容は概ね共通しており、以下の要素を含んでいます。
なぜそのコースを選んだのか
なぜ自分はそのコースを受講することにしたのか、以下の点を踏まえて説明できるようにしましょう。
- これまでに受けてきた教育との関連性/継続性の有無(関連が無い場合はなぜ進路を変更したのか)
- これまでの職歴との関連性の有無(関連が無い場合はなぜ進路を変更したのか)
- 将来のキャリアプランに与える利点
移民局の公式サイトには、例として「語学学校での英語コース(ELICOS: 留学生向けの英語コース)を12ヵ月を超えて受講する場合は、その妥当性を証明するために多くの情報が必要とされる」と書かれています。一般英語コースのように英語力を問ず、入学試験無しで容易に入学できるコースは、不法滞在に悪用される可能性があるという背景があります。1年間英語を学べば進学や資格取得コースなどにも進めるはずなのに、なぜそれ以上の期間英語コースを受講し続ける必要があるのか、説得力のある根拠を示さないとビザは発給できませんよという意味にもとれます。
なぜその学校を選んだのか
自分はなぜその学校に決めたのか、以下の点を踏まえて説明できるようにしましょう。
- どのような調査をしてその学校を選択したのか
- その学校はどのような特色があるのか
なぜオーストラリアを選んだのか
なぜオーストラリア留学を選んだのか、以下の点を踏まえて説明できるようにしましょう。
- 日本で同様なプログラムが開講されているか否か(されている場合はなぜオーストラリアを選択したのか)
- オーストラリアでの生活についてどのような調査をしたか
日本での状況
コース終了後に日本に帰国することを根拠を上げて説明できるようにしましょう(例えば帰国後に就職が決まっている場合や日本に残してきた家族がいるなど)。
渡航歴
GTE基準としては重要な要素ですが、ビザ申請の際は別の項目で詳細を入力することになります。