Certified Copy(原本証明コピー)とは
Certified Copy の定義
「Certified Copy」 とは、そのまま日本語に訳すと「認証されたコピー」となりますが、在日オーストラリア大使館では「原本証明コピー」と和訳されています。日本では馴染みのない言葉ですが、オーストラリアでは一般的に知られた手続きのひとつです。各種法手続き、事務手続きの際に身分証明、資格証明書類等の原本の代わりに、普通は原本のコピーを提出します。そのコピーの内容が原本の内容と相違ないという旨を、指定された資格を持つ人物に認証されたコピーを「Certified Copy」と呼びます。「Certified Copy」には、原本からコピーされたものであることを承認する趣旨のスタンプが押されたり、認証した人物の署名がなされます。
ビザの申請時に移民局から追加書類の提出を求められることがありますが、郵送による申請の場合には原本ではなく、すべて「Certified Copy」で送付することを要求されます。例えば2回目のワーキングホリデービザの申請時に、地方で特定の仕事に3ヵ月以上従事したことを証明するための書類として、以下のものを提出することができますが、郵送する際はこれら書類の「Certified Copy」でなければなりません。*ただし、ImmiAccount からのオンライン申請の場合には、原本をスキャンしたものをアップロードすることができます。
- 給料明細(Pay slips)
- 源泉徴収票(group certificates / payment summaries)
- 所得税申告書(tax returns)
- 雇用主からの証明レター(employer references)
- 銀行明細書(original Australian bank statement)
移民局公式サイトの「What is a 'certified copy' of a document?」というページには、「Certified Copy」がたったの1文で以下のように定義されています。
A ‘certified copy’ is a copy of an original document such as a birth certificate, marriage certificate or proof of identity that has been authorised (or stamped) as being a true copy of an original.
「『Certified copy』は 出生証明書、結婚証明書、身分証明書などの原本をコピーしたもので、それが原本のコピーに相違ないことを認証され(またはスタンプを押され)たものです。」
随分と漠然とした定義で、具体性に欠けているようにも見えますが、実は「Certified Copy」に関するルールは、連邦政府レベルでも州政府レベルでも法律で規定されていません。各種手続きで長年にわたり広く使われてきた慣習のようなものです。
誰が Certified Copy を作成できる?
それではいったい誰が Certified Copy の認証をできるのでしょうか?
一般的には、宣誓供述書に関する規則の別表2(Schedule 2 of the Statutory Declaration Regulations 1993)に記載された、宣誓供述書(Statutory Declaration)への署名の立合人(witness)としての権限を与えられた者が、Certified Copy の認証をすることができます。
権限を与えられた者のリストには、カイロプラクター(Chiropractor)、歯科医(Dentist)、 弁護士(Legal practitioner)、医師(Medical practitioner)、看護師(Nurse)、 検眼医(Optometrist)、弁理士(Patent attorney)、薬剤師(Pharmacist)、理学療法士(Physiotherapist)、心理学者(Psychologist)、商標弁理士(Trade marks attorney) 、獣医(Veterinary surgeon)、その他、計50もの職種や資格が記載されています。
しかしながら、このリストにあるからと言って誰でも快くCertified Copy を作成してくれるわけではありません。あくまで認証する資格があるというだけです。Certified Copy を作ってもらうために動物病院に行って、獣医に依頼したなどという話は聞いたことがありません。
一方で政府系の機関であれば依頼しやすく、中でも確実性の高いのは裁判所や警察署です。裁判所の職員(Clerk of a court)や警察官(Police officer)もしっかりリストに載っています。また、郵便局の職員も条件付きですがリストに載っていますので、郵便局で頼める場合もあります。
Justice of the Peace(治安判事 )
日本では聞きなれない言葉ですが、治安判事(JP - Justice of the peace)と呼ばれる資格者も Certified Copy を作成することができ、オーストラリア人の間では Certified Copy というとJPに頼むものという認識が一般的です。
地域コミュニティーサービスの一環として JP(あるいは Cdec - Commissioner of Declaration 資格者)が、毎週決まった曜日にショッピングセンターや図書館などに出向いて、一般の人々のために無料サービスを提供してくれます。
各州政府の公式サイトや、またはここには載せきれませんが各地方自治体のサイトなどには、各地のJPの連絡先や、JPサービスのスケジュールが掲載されています。Certified Copyを依頼する際は、必ず原本とコピーを両方持参しましょう。
オーストラリア首都特別地域(ACT)
ACT政府公式ページ
http://www.justice.act.gov.au/jp
キャンベラ
http://www.library.act.gov.au/how_to_use_the_library/frequently_asked_questions#justice
ニューサウスウェールズ州(NSW)
NSW州政府公式ページ
http://www.jp.nsw.gov.au/Pages/Justices%20of%20the%20Peace/scheduledjpservices.aspx
北部準州(NT)
NT政府公式ページ
https://nt.gov.au/law/processes/find-a-justice-of-the-peace-and-commissioner-for-oaths-online
クイーンズランド州(QLD)
QLD州政府公式ページ
南オーストラリア州(SA)
SA州政府公式ページ
アデレード
http://www.adelaidecitycouncil.com/city-living/community-services/justice-of-the-peace/
タスマニア州(TAS)
Tasmanian Society of Justice of the Peace 公式ページ
http://www.tsjpi.asn.au/find.html
ビクトリア州(VIC)
ビクトリア州政府公式ページ
http://www.justice.vic.gov.au/home/justice+system/legal+assistance/justice+of+the+peace/
西オーストラリア州(WA)
西オーストラリア州政府公式ページ
http://www.courts.dotag.wa.gov.au/_apps/jps/Default.aspx
パース
http://slwa.wa.gov.au/find/services/justice_of_the_peace
http://www.southperth.wa.gov.au/Services/Justices-of-the-Peace
日本で Certified Copy を作成する場合
オーストラリア国外の場合は、その国の公証人が認証した Certified Copy であれば、一般的に認められるようですが、言語や慣習の違いにより日本で Certified Copy を作成するは難しい作業となります。
最も確実な方法は、在日オーストラリア大使館の提供する「原本証明コピー」のサービスを利用することです。郵送による申請も受け付けているようですが、原本紛失のリスクを考えると直接来館して申請するのが無難でしょう。2016年5月現在の原本証明コピーの手数料は、 2,500円です。詳しい情報は、在日オーストラリア大使館公式ページをご確認ください。