オーストラリア長期留学ガイド
オーストラリアでは3ヵ月以上の長期留学には、学生ビザの取得が必要となります。
長期留学では、十分な期間を使って英語力を向上することにより、ビジネスでも通用する英語スキルを身につけることが可能です。また、大学や専門学校などで専門知識を身につけたり、海外でも通用する資格を取得したい方など、目的がはっきりしている方に適した留学スタイルと言えます。
長期留学と短期留学の手続き上の違い
長期留学は短期留学と比較して必要な準備や手続きが多いため、より綿密に計画を立てる必要があります。実際のところ、オーストラリアの短期留学と長期留学との間に手続き上どのような違いがあるのかを以下に示します。
長期留学 (3ヵ月以上) |
短期留学 (3ヵ月以内) |
学校を休学/退学、あるいは仕事を辞めて行くことになる。 | 学校、仕事の休暇を利用して行くことができる。 |
賃貸アパートやマンションの場合は解約し、家財道具を実家などで保管してもらうなどの段取りが必要となる。帰国後の生活は留学前と大きく異なる。 | 家を留守にする期間が比較的短いので、帰国後はすぐに元の生活に戻ることができる。 |
1年以上の長期留学の場合には、役所に転出届を提出することにより、渡航中の国民年金は強制から任意に変わり、国民健康保険は脱退することになる。 | 住民票はそのまま。住民税、年金、健康保険料の支払い義務もそのまま継続。 |
学生ビザが必要となる。 | 電子渡航許可(ETA) で渡航。 |
留学生健康保険(OSHC)に加入する必要がある。 | 留学生健康保険(OSHC)の加入義務なし。 |
政府認定校(CRICOS登録校)の開講する政府認定コースへの入学許可(CoE)が必要。受講できるのはフルタイムコースのみ。 | 受講するコースに関する制約なし。パートタイムコースも受講できる。 |
在留届の提出が必要となる。 | 任意で「たびレジ」に登録。 |
条件付きで現地で働くことが可能。 | 現地で働くことはできない。 |
1年以上の長期留学の場合や現地で働く場合は、現地銀行口座を開設するのが一般的。 | 現地銀行口座を開設する必要なし。 |
現地で働く場合には、タックスファイルナンバーを取得する必要がある。 | オーストラリアの納税者番号(タックスファイルナンバー)は必要なし。 |
長期留学の流れ
調査/計画
行先の国と「目的」を決める
このページをご覧の方は、数ある国の中からオーストラリアを選択したか、あるいは留学先の候補として検討中だと思います。まずは、なぜオーストラリアが多くの留学生に選ばれているのかを見てみましょう。
なぜオーストラリア?
オーストラリアが留学生に選ばれる理由として代表的なものは以下のとおりです。
- ① 質の高い教育制度
- ② 留学生の権利を守る法律
- ③ 治安が良い
- ④ 広大豊かな自然環境
- ⑤ 多文化・多民族国家
- ⑥ 就労も許可されている
- ⑦ 日本との時差が小さい
これ以外にも理由はたくさんありますし、何か特定の目的を達成するのにオーストラリアが最適だという人もいるでしょう。オーストラリアに留学する利点のページ、オーストラリア基本情報のページもぜひ参考にご覧ください。
受講するコースについて
長期留学の場合は、自分の目的に合ったコースを選択することになりますが、その前に進学準備コースを受講する必要があったり、英語力が希望コースの入学条件に達していない場合には、英語コースからスタートすることになります。なお、英語力の向上を目的とした長期語学留学の場合は、英語初級者からでも参加することが可能です。
語学学校は様々なコースを提供しています。詳しくは英語コースの種類のページをご覧ください。英語に全く自信がない方でも受講することができるのが、General English(一般英語)コースと呼ばれ、英語初級者から上級者まで多くの人たちが受講しています。また、大学や専門学校への進学を希望される場合は、英語力の要件を満たすことの証明が必要となります。オーストラリアで最もポピュラーな英語検定はIELTS(アイエルツ)で、日本でも普及してきています。
留学する期間について
長期語学留学の場合は、目標の英語レベルや予算に応じて、3ヵ月から1年で計画します。専門資格を取得するためのコースなどを受講する場合は、コース期間が留学する期間となります(コース途中や終了後にホリデー期間が追加されるのが普通です)。
滞在スタイルについて
滞在先のスタイルには、ホームステイの他、シェアハウスや学生寮などがあります(留学/ワーキングホリデーでの滞在スタイル参照)。留学生を受け入れている学校は、滞在先と空港送迎の手配を行っています。学校が手配する滞在先は、交通の便や安全面、衛生面など学校の審査基準をクリアしています。
長期留学の場合は、最初の4週間程度はホームステイか学生寮などを利用し、その後にシェアハウスなどに移るケースが一般的です。シェアハウスの探し方のページもご参照ください。
留学費用について
長期留学は不確定要素が多く、期間も長くなるため費用総額の見積もりが若干難しくなります。また、現地でアルバイトをすることも可能ですが、仕事がすぐに見つかるとは限りませんし、自分の都合通りの時間帯に働けるとも限りません。現地で稼ぐ費用を当てにしすぎるのはリスクがあります。十分な余裕をもって留学費用を用意しましょう(学生ビザの申請条件でもあります)。
- 出発前にかかる費用: パスポート申請料、航空券、学生ビザ申請料、海外旅行保険
- 学校の申し込み費用: 入学金、授業料、教材費、OSHC保険料、(オプション:滞在先手配料、宿泊費、空港送迎料)
- 現地でかかる費用: 交通費、宿泊費、食費、携帯代、お小遣い、お土産代、休日のアクティビティ費用など
出発前準備
出発前準備のページも合わせてご確認ください。
パスポートの用意
海外へ出かけるために必須となるのがパスポート(旅券)です。ビザを申請する際に必要になりますので、取得されていない方は、時間的余裕をもってパスポートを取得しておくことをおすすめします。
パスポートの申請方法や料金、必要書類などについての詳細は、外務省公式サイトのパスポート(旅券)のページをご確認ください。
既にパスポートをお持ちの方も、パスポートの残存有効期間を忘れずにチェックしてください。パスポートが変わった場合には必ずオーストラリア移民局に届出る必要があります。届け出の方法は、オーストラリア国内住所変更等の際に必要な手続きのページをご確認ください。
歯科検診
歯の治療は海外旅行保険/留学保険などではカバーされないことが多いため、金銭的な負担が大きくなります。長期留学前に歯科検診を受け、治療を済ませておきましょう。
学校の申し込み
長期留学の場合は、入学手続き完了後に学校から入学許可証(CoE)が発行されます。学生ビザの申請には、CoEが必要となります。
申し込み期限は?
長期留学の場合は学生ビザ申請から発給までの期間を考慮し、十分な時間的余裕を持って学校の申し込みをすることをお勧めします。3~4ヵ月前までには学校の申し込みを済ませておくのが良いでしょう。
まずは無料相談をご利用ください。豊富な知識と経験に基づいた適切なアドバイスをさせていただきます。お問い合わせフォーム、LINE にてお気軽にお問い合わせください。 また、お申し込み手順のページもご確認ください。
学生ビザの申請
学生ビザは申請から発給まで、2~4週間程度かかるのが一般的ですが、場合によっては健康診断の受診が必要となったり、追加書類の提出を要求されることもあります。日程的に余裕をもって申請をするようにしましょう。学生ビザの詳細に関するページと学生ビザの申請方法のページもご確認ください。
滞在先手配
ホームステイ、学生寮などの滞在先の手配は、学校に依頼することが可能です。学校へのお申し込みの際に合わせてお申し込みください。もちろん、ご自分で宿泊先の手配をすることも可能です。学校との距離や、交通手段を確認してから決めるのが良いでしょう。
空港ピックアップの手配
現地の空港に到着した際に宿泊先までの移動手段を確認しておきましょう。滞在先とともに空港送迎の手配も学校に依頼することが可能です。ご自分で宿泊先まで移動する予定の方は、以下のページで交通手段をご確認ください。
海外旅行保険加入
長期留学の場合は、OSHC(Overseas Student Health Cover, 留学生健康保険)の加入が義務付けられており、学校に申し込む際にOSHCも一緒に申し込むことができます。ただし、OSHCのカバー内容は、オーストラリア国民向けの医療制度(メディケア)と同等レベルとなりますので、基準額を超えた場合には自己負担が生じる場合もあります。併せて海外旅行保険への加入をお勧めします。海外旅行保険の場合はキャッシュレスで診察を受けられる診療所(日本語通訳が常勤している所もある)もあります。
クレジットカードに付帯する海外旅行保険の補償期限は、一般的に90日間ですので短期留学に適していますが、長期留学の場合は、別途海外旅行保険に加入することをお勧めします。
クレジットカード/国際キャッシュカードの用意
オーストラリアではクレジットカードの携帯はほぼ必須です。特にレンタカーを借りたり、ホテルなどに宿泊予定の方は、クレジットカードの提示を求められます。念のため2枚以上のカードを持って行くことをお勧めします。
現金はいくら持って行く?
クレジットカードさえあれば現金を全く持っていなくても、困ることはほとんどないでしょう。マーケットなどでは現金払いしか受け付けないところもありますが、仮に現金が必要になった場合でもクレジットカードのキャッシングでオーストラリアドルを用意することも可能です。
詳しくは、留学/ワーキングホリデー お金の持って行き方のページをご確認ください。
航空券購入
学校の申し込み後に航空券を手配するのが一般的ですが、先に航空券を予約してから学校へ申し込むこともできます。ある程度の時間的余裕をもって手配しましょう。特に日本の夏休み時期などの繁忙期は、早い時点で予約が埋まってしまうこともありますので注意が必要です。
どこで買う?
まずは直行便が飛んでいる以下の航空会社の公式サイトで料金をチェックしてみましょう。
次に以下のような格安航空券比較サイトで経由便や料金などを比較し、最終的にどこで航空券を購入するのかを決めるのも良いでしょう。
国際運転免許証の取得
オーストラリアで車を運転する際に必ずしも必要なわけではありませんが、国際運転免許証を取得しておくのも良いでしょう。ただし有効期限は1年間ですので、1年を超える長期留学をされる場合は別の手段を検討しておく必要があります。 オーストラリアで車を運転するする場合のルールは各州ごとに若干異なります。詳しくは、オーストラリアで運転するには のページをご確認ください。
公的手続き
長期間海外に滞在する場合は、海外転出届(住民異動届)を提出することにより、住民登録を抜くことができます。一般的には1年以上の滞在を目安として、海外転出届が提出できます。詳しくは住民票のある役所でご確認ください。
現地到着後
現地到着後は以下のような流れとなりますが、ご不明な点やお困りの点、ご相談などございましたら、My First Step が無料でサポートいたします。到着後の手続きのページも合わせてご確認ください。
在留届の提出
外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する人は、旅券法第16条によりその地域を管轄する日本大使館、または総領事館に速やかに在留届を提出することが義務付けられています。詳しくは、外務省の在留届公式サイトよりご確認ください。
タックスファイルナンバー取得
オーストラリア税務局が発行する納税者番号をTax File Number (TFN) と言います。TFN取得は義務ではありませんが、これ無しで働いた場合、所得に対して最高税率が課せられますので、就業される方は必ず取っておいた方が良いでしょう。
申請はオンラインで簡単に行うことができます。詳しくは、タックスファイルナンバー申請方法のページをご覧ください。
学校への通学手段
滞在先と学校との位置関係にもよりますが、電車、バス、トラムなどの公共交通機関か、徒歩での通学となります。
入学/コース開始
指定された時間に学校に行き、受付で書類手続きなどを行います。パスポートや筆記用具などの他、学校によって指定されたものをご用意いただきます。
アルバイト探し
学生ビザのもとでは、就学中は2週間で40時間までの制限付きで働くことができます(例外あり。詳しくは学生ビザの詳細ページ参照)。 それ以外は現地オーストラリア人と同じ条件で働くことが可能です。しかしながらオーストラリアでの労働事情は日本とは当然異なりますので、オーストラリアで働く前に知っておくべき基本情報のページで、労働者の権利および、責任について基本的なことを確認しておきましょう。 また、ワーキングホリデー/留学生向け 仕事の見つけ方のページでは仕事の探し方を紹介しています。是非確認してみてください。