シェアハウスの探し方
長期留学やワーキングホリデーのみなさんに最も利用されている滞在方法がシェアハウスです。バスルーム、キッチン、リビングなどを共用空間とし、複数の人でシェアすることにより比較的安い家賃で立地条件の良い住居に住むことができるのが利点です。ベッドルームにはプライバシー重視の個室タイプのものと、節約重視の相部屋(ルームシェア)タイプのものがあります。
最近日本でも増えつつありますが、欧米では昔から一般的な居住スタイルの一つです。多くの留学生やワーキングホリデーの人々は最初にホームステイか学生寮に滞在し、その地域での生活に慣れた後にシェアハウスに移っていくというパターンが一般的です。またはシェアハウスが見つかるまでバックパッカーズ・ホステルに滞在するというオプションもあります。
日本語ではシェアハウスという呼び名が一般的ですが、英語ではシェア・アコモデーション(Share Accommodation)と呼ばれることが多いです。どちらも法律上明確な定義はなく、慣習的に使われている呼び名です。
シェア・アコモデーションの4つの形態
1. Co-Tenancy(共同賃貸)
アパートや一軒家などの物件を友達同士で借りる場合がこれにあたります。利点は物件の選択肢が豊富であることが挙げられますが、契約条件に関しては個人で物件を借りる場合と同様の責任が個々に課されます。この形態はほとんどの場合、不動産屋を介した契約となりますので、信用という点においては個人契約のような不透明さはありません。賃貸物件の多くは契約期間が6ヵ月以上と決められている場合が多いので、期間的な制約が厳しくなることと、生活用品の多くを自分たちで用意する必要があること、公共サービスの契約も自分たちでしなければならないことといった手間や費用もかかるのが短所と言えます。長期間その地にとどまることがはっきりしている人向けの選択肢と言えます。
賃貸物件の多くは Furnished(ファーニッシュド)と呼ばれる家具付きのものか、Unfurnished(アンファーニッシュド)と呼ばれる家具無しの物件ですが、中にはSelf-contained(セルフコンテインド)と呼ばれる家具、調理器具、食器、寝具などまで含まれる物件もあり、そこでは最小限の生活用品と食料さえあれば生活が始められますが、その分家賃は高めになります。
2. Sub-Tenancy / Sub-Letting(転貸借/又貸し)
アパートや一軒家などの物件を借りている人が、家賃負担を軽減するために空いている部屋を人に又貸しするケースがあります。家主と賃貸契約を結んでいる方が Head Tenant(ヘッドテナント)と呼ばれ、ヘッドテナントから部屋を借りる方を Sub-Tenant(サブテナント)と言います。普通はサブテナントのための家具や生活用品などはあらかじめ用意されており、サブテナントはヘッドテナントに家賃を払うことになります。家のルールはヘッドテナント次第で、家賃に光熱費やインターネット代などが含まれるかどうかは、最初に確認する必要があります。物件によりますが、滞在期間は比較的フレキシブルな場合も多く、多くの留学生やワーキングホリデーの人たちに利用されています。
どの物件でも又貸しできるわけではなく、家主の許可が必要となります。家主の許可なく又貸しするケースもあり、問題となっている物件も見られますので注意が必要です。また入居後に途中でルールが変わったり、追加の費用を請求されたりするケースもありますので、入居前に細かな点までクリアにしておくことをお勧めします。できたら書面での契約が望ましいですが、口約束だけの場合が多いのも事実です。
3. Borders / Lodgers(シェアハウス)
アパートや一軒家などの物件を所有する家主が空いている部屋を貸し出す形態で、シェア・アコモデーションとしては最も一般的な形態で、多くの留学生やワーキングホリデーの人たちに利用されています。家主は同じ物件に同居していることもあれば、別の自宅に住んでいることもあります。家具や生活用品はあらかじめ用意されています。
家のルールに関しては上の又貸し同様、物件によって異なりますので、入居前にしっかりと確認する必要があります。
4. Rooming / Boarding(ボーディングハウス)
シェアハウスより大きな規模で商業的に行っているのがボーディングハウス(寄宿舎/寮)です。物件数は多くはありません。
シェアハウスの探し方
シェアハウスを自分で探す場合は、ネットで探す、掲示板で探す、あるいは人から紹介してもらうという方法があります。一般的には大きな都市はネットで探すのが主流で、小さな街ではまだまだ掲示板も多く利用されています。その土地での人脈のネットワークが広がっていくと、人からの紹介で物件を見つけることも可能となります。
最初は土地勘もなく自分で物件を探すのが不安だという方は、エージェントを利用したり、語学学校を通じてシェアハウスを手配してもらうことも可能です。
インターネット
大都市を中心にインターネットでの物件探しが主流となっていますが、小さな町でも利用は増えています。今後も物件探しの主流はインターネットで間違いないでしょう。
日本人は日本語のクラシファイドサイトで物件を探すことが多いため、日本人とのシェアを希望する場合は、日本語サイトで探すのが良いでしょう。逆に日本人がいない方が良いという方は、英語サイトで探すことになります。
日本語サイト
英語サイト
Gumtree はオーストラリア全国にわたって、求人情報、個人売買、物件情報など、幅ひろくカバーするクラシファイドサイトです。
シェアハウス物件を検索する場合には、まず検索カテゴリーは「Real Estate(不動産)」の下のサブカテゴリーの「Flatshare & Houseshare(アパート・シェア & 一軒家シェア)」、または「Roomshare(ルームシェア/相部屋)」の項目を選びます。さらに都市、Suburb(サバーブ)名を入力すると物件情報が表示されます。さらに家賃やその他の条件を絞り込んで検索することも可能です。
Flatmates.com.au はシェアハウスに特化した物件情報サイトです。
物件を検索するには、検索バーに希望する都市、Suburb(サバーブ)名を入力し、「Rooms」をクリックしてから「Search」をクリックすると物件が表示されます。さらに、家賃やその他の条件を絞り込んで検索することも可能です。シェアハウスに特化したサイトのため、物件ごとの情報が分かりやすくまとまっていて非常に見やすいサイトです。
realestate.com.au はオーストラリア最大の不動産情報総合サイトです。シェアハウスに限らず、不動産の購入、賃貸物件など豊富に網羅しています。
シェアハウス物件を検索するには、まず検索カテゴリーは「Share(シェア)」を選択し、検索条件は「Rooms」を選んでから、都市、Suburb(サバーブ)名を入力し、検索をかけると物件が表示されます。さらに家賃やその他の条件を絞り込んで検索することも可能です。
掲示板
特に小さな街では仕事探しや個人売買などと同様に、シェアハウス探しにもまだまだ掲示板が良く利用されています。
時期にもよりますが好条件の物件はすぐに入居者が決まってしまうので、面倒がらずにちょくちょく確認しに行く必要があります。逆にいつ見ても常に貼り出されているような物件は訳あり物件の可能性もあります。
紹介
土地勘が無いうちはどのエリアが生活しやすいかなども分かりませんので、その土地に住み始めてすぐに好条件の物件が見つかるのは稀なことです。留学生やワーキングホリデーの多くの人たちは、語学学校や仕事を通じて人脈が広がってくると、シェアハウスの物件情報も入手できるようになります。インターネットや掲示板と違い、物件が空く前から情報が得られるという利点があり、また物件の評判やルールなども前もって分かるため、最も堅実な方法と言えます。
家賃とその他の費用
手付金(Holding Deposit)
シェアハウスが決まったら入居までの間、部屋を仮押さえするために、通常は手付金/デポジット(Holding Deposit)の支払いが必要となります。金額は物件にもよりますが、1週間分の家賃程度となり、入居後は家賃、または敷金に充てられるのが普通です。
敷金(Bond)
オーストラリアではシェアハウスに限らず賃貸物件を借りる際にはボンド(bond)、またはセキュリティー・ボンド(Security Bond)と呼ばれる敷金を支払います。退去時に物件が入居時よりも汚れていたり損傷があると、ボンドによって修繕費用が支払われますが、そうでなければ退去時に全額返金されます。一般的には家賃の2~4週間分ですが、それより少ない場合もあります。
家賃(Rent)
毎週1週間分を前払いするのが一般的ですが、中には後払いでよい物件もありますので、最初に家主に確認しておきましょう。
光熱費、インターネット、エアコンなど
光熱費、インターネット、エアコンの使用料などは、家賃に含まれるものとそうでないものと、物件によってまちまちですので、あらかじめ確認する必要があります。場合によっては洗濯機が無く、コインランドリーを使わなければいけないこともありますので、その辺もしっかり確認しましょう。
その他の費用
調味料やトイレットペーパーなどの日用品をシェアハウスの住人が折半することもあります。