ダイビングインストラクターの仕事
世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフの玄関口として知られるケアンズには、世界中から年間78万人もの人々が訪れます。国内的にもケアンズはホリデー先として人気が高く、年間100万人を超える観光客がオーストラリア全土からケアンズに集まってきます(Tourism Tropical North Queensland, 2015年データ)。
ケアンズで開催するツアーの中でも人気が高いのは、何と言ってもグレートバリアリーフへの日帰りクルーズですが、クルーズにも様々な種類があります。グリーン島やフィッツロイ島といったリゾートアイランドに行くツアーや、サンゴ礁に囲まれた白砂の小島ミコマスケイやウポルケイなどに行くセイリングツアー、主にダイバーを対象としボートダイビングに特化したツアーや、グレートバリアリーフに浮かべられたポンツーンとよばれる浮島に行くアウターリーフクルーズなどがあります。
グレートバリアリーフで働くダイビングインストラクターは、海に潜るだけではなく行き帰りの船上では船のクルーとしての役目も果たしています。ここで紹介する仕事事例は、Scuba Doo(スキューバドゥー)と呼ばれる水中バイクを使って、海中のガイドを行っているインストラクターのカイさんからいただいた情報です。カイさんはワーキングホリデーでオーストラリアに来る前からインストラクター資格を取得しており、ケアンズに来てすぐに掲示板に貼られた求人に応募し、この仕事に就くことができたそうです。
仕事内容
- 乗船後に事前予約をしているお客様を探します。最近ではほとんどの場合が中国からのお客様ですが、欧米からや日本人からのお客様もいらっしゃいます。
- 事前予約をしているお客様がいなければ船内でのセールスを開始し、お客様が見つかったら申し込み用紙に必要事項を記入して頂きます。
- 健康チェックに問題があった場合は、状況を確認してスーパーバイザーに報告し判断を仰ぎます。
- 参加者のための説明会を船内で行い、Scuba Dooの操縦方法、乗車の仕方、ハンドサインなどを説明します。
- 船がグレートバリアリーフに着いたら機材のセッティングをし、お客様を連れてダイビングをします。
- 昼食をとった後、クルーのお皿洗いなどをします。
- 帰りの船内で、お客様とその日のダイビングや見た魚などについて話をします。
カイさんの体験談
ダイビングインストラクターとして毎日グレートバリアリーフに行けることが、大きな魅力です! インストラクターの仕事は自分も楽しむことができて、さらにお客様も喜んでくれるという最高の仕事だと思います。また、グレートバリアリーフには世界各国からたくさんの人々がくるので、そのお客様達とコミュニケーションをすることも魅力の一つです。
給料はセールススタッフとインストラクターで異なりますが、時給にするとおよそ20ドルです。毎日の売り上げによって決まるセールスコミッションで毎週給料が少しずつ変わります。このため繁忙期と閑散期で給料が少し変わってきます。毎日の労働時間が日本と違いしっかりと決まっているため、自分の時間を作りやすく、仕事と生活のバランスがとても取りやすいのが大きな魅力だと思います。朝夕の時間を使って勉強をしたり、トレーニングをしたりすることができます。また、社員特権として他の船に乗る料金が割安になったり、島のリゾートを利用する値段が割引になったりすることも大きな特権です。休みの日にもグレートバリアリーフに遊びに行くことができます。
ダイビングインストラクターの仕事は、時に大きなタンクを背負って荒波にもまれて大変な仕事だと思われがちですが、とてもやりがいのある良い仕事だと思います。ダイビングを終えた直後のお客様の笑顔は、最高ですよ。 もちろんお客様に水中で安全に楽しんで頂くという責任感が必要ですが、たくさんの人達に水中世界を見てもらえるきっかけになるのでとても面白い仕事です。私自身、ワーキングホリデー中に貴重な体験ができて本当によかったと思っています。 海の仕事に興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。